ベテランが記憶と勘で回せるのは 月200台 まで。
専門の工場が引き受けてくれるのは 月5000台 から。
私たちが扱う 月100〜2000台のIoT機器 は、ちょうどこの間。 人手で回すには多すぎ、工場に出すには少なすぎる。
1台ごとに番号をふって作業を記録し、ミスがあればシステムが先に止める。
台数が増えても壊れない仕組みを、最初から作る。
ONE-PAGER · 責任者の要約
「気合と熟練」で回ってきた現場が、月1000台で限界を迎えた。原因は人ではなく仕組み側にある。
| # | 課題 | 現状 | 放置した場合の損失 |
|---|---|---|---|
| 01 | 死の谷(規模の谷間) SNとロットの対応付けはExcel手作業。500台/月で破綻し出荷遅延が常態化。 |
+4.2日 平均出荷遅延 |
¥18M/年 契約違約金・キャンセル |
| 02 | IP(知財)流出リスク 外部ワーカーに紙マニュアル・固有キーを配布した時点でコントロール外。 |
3社 監査指摘・直近12ヶ月 |
事業停止リスク 大口顧客の取引停止条項 |
| 03 | 作業ミスが特定不能 どのSNがどのステップをスキップしたか残らない。不具合はロット全数リコール。 |
2.4% クレーム率(業界平均×3) |
¥28M/年 全数リコール換算 |
合計損失見積
3課題の放置で 年間 ¥46M+ が失われる。P0 + P1 投資 ¥24M は約6ヶ月で回収。
すべての記録は SNを主キー にした一つのデータモデルに積み上がり、揃わなければ出荷フラグは立たない。
SNなき作業は記録されない=給与にも反映されない。これが現場の最強の動機付け。
マニュアル全項目(KIT-A1で28項目)が揃わない限り ship_ready は false。例外申請は二人承認+記録。
写真・スキャン・タイムスタンプ。システムが「やった証拠を持っている」状態にする。
現場は速度。管理者は一目で滞留と異常を把握。隠れた状態を作らない。
DATA MODEL · LOGICAL VIEW
unit(sn: "SN-001") ├ kit: "KIT-A1" ├ phase: SOFTWARE (3/4) ├ worker: w-0042 / 田中 ├ steps: 18 / 28 ✓ ├ photos: 6 (signed, sha256) ├ duration: 14m22s └ ship_ready: false
→ 28/28 が揃わない限り ship_ready は false。出荷リストに乗らない。例外なし。10年間検索可能に永続保存。
| 領域 | Before(現状) | After(THE HELP 導入後) | 改善幅 |
|---|---|---|---|
| 個体管理 | SN ↔ ロットを手作業。Excel管理。月末集計。 | SNがDB主キー。即時可視。 | −92% 工数 |
| マニュアル | PDF配布。改版はメール添付。版数管理は属人。 | Web版。改版即反映、版数自動記録。 | −100% 印刷費 |
| 進捗把握 | 電話・LINEで都度確認。日次レポートは翌朝。 | 1画面で全SN即時可視。滞留自動警告。 | 遅延 −70% |
| 不具合対応 | ロット単位で全数調査。最悪は全数リコール。 | 対象SNを工程記録から特定。影響範囲 1/40。 | −96% 範囲 |
| 精算 | 月末集計(平均4営業日)。 | 完了SN×単価×品質係数で自動算出。即日プレビュー。 | −95% 工数 |
Phase 0 で最速で現場へ届け、Phase 1 で習慣を作り、Phase 2 で運用の上に価値を乗せる。
| フェーズ | 期間 / 投資 | 名称 / 目的 | 完了条件(DoD) |
|---|---|---|---|
| P0 | NOW – 6週間 ¥4M |
マニュアル閲覧の現場配信 紙・PDFを廃止し Web マニュアルを最速配信。テナント共通PINで閲覧、改版は GitHub PR レビュー(2名承認)。 |
・全KITがWebマニュアルで参照可能 ・紙マニュアルの配布停止 ・改版がPRで承認+自動公開 |
| P1 | P0 完了後 – 3ヶ月 ¥20M |
SN単位の進捗・ログ管理 + ポカヨケ 28項目すべて完了したSNだけが ship_ready=true になるポカヨケを実装。 |
・全SNがチェックリストを使用 ・出荷時点で全28項目チェック済 ・写真証拠が全SNに完備 |
| P2 | 将来拡張 P1 安定運用後 |
精算管理の自動化 作業ログから個人別支払額を自動算出。月末集計を消滅させる。 |
・Phase 1 で3ヶ月以上安定運用 ・シャドー運用で乖離 ±5% 以内 |
設計上の重要点:Phase 0 / 1 / 2 は 同一バイナリ・同一データモデルで動かす。後戻り不要のアーキテクチャを最初から組む。
| # | リスク | 深刻度 | 打ち手 |
|---|---|---|---|
| R1 | 現場の抵抗・運用離脱 | HIGH | 最初の4週間は紙併用。週1で現場ヒアリング。手戻りはPMが現場で吸収。 |
| R2 | SN衝突・ラベル誤読 | HIGH | DBに UNIQUE 制約。スキャン時に重複検知でブロック。再貼付は監査ログに記録。 |
| R3 | ワーカー端末の故障・紛失 | MID | PWA + Offline-first 設計。予備端末3台を現場常備。 |
| R4 | Fly.io リージョン障害 | MID | マルチリージョン構成。SLO 99.9%。Offline-firstで現場は継続可。 |
| R5 | IPキー漏洩 | HIGH | キーはサーバから治具へ直接、ワーカー画面には一切表示しない。 |
FIRST 14 DAYS · 着手チェックリスト
REQUEST · 経営陣へ
まず Phase 0(6週間・¥4M) を承認してください。続けて Phase 1(3ヶ月・¥20M) もスコープとして予約を。合計投資 ¥24M / 回収 ¥46M / 年。